だれか 蒼風薫/エヴァル−ジュ
たとしても
きっとあの子は入っていったそんな痛ましいほどに裸のままの
魂はあった
私にとって涙って雪ぐものと
信じていたのはいつからだったか
心へのあたたかななさざなみで
唯一の救いで
守ってくれる何かしらで
私にとってあの子はそれのもう一つの具現だった一七年間。生まれた時から最後の瞬間まで
傍にいて痛ましいほどに汚れないままで
傍にいてくれた
あの子の魂のためにあの子の魂のために
今までの中で最も透明な
一遍を描きたい夜
どうにかして描きたい夜
終わってしまった描けないままに
ただ涙が
私にとっては
今までの
ギフト
生
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