渡り損ね  蒼風薫/梅昆布茶2
 


手を振って見た

隣の向日葵が  自分宛のご挨拶かしら

と誤解したのか

エミをこぼしたようだ    悲しみの音


寂し身が頭を擦り

こぼれ落ちる幾晩もの時の中で

いつもいつも思うのは
きっと古なのかもしれない

知られざる  そこは里であって
母であって

記憶であって

そして戸惑い、であって

言葉にすることができない想いがほら

今日も訪れて頬を伝う

誰かからの慰めも

誰かからの贈り物も

皆ただの痛みにしかならない


そのことを自分で知りたくて  詩を

書いているのでしょう  sすみれ


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