渡り損ね 蒼風薫/梅昆布茶2
だから、いつまでもよごれつことなく白いのだ
今夜のシチューはなんだろう・・・
(与えてもらえるならば)
ぼんやりと夢想しながら 嫌でも家は近づいてくる彼らー
宿題を決してしない子は
真の意味で『自由』である
宿題にすら見捨てられているのだから
かつて彼らが大人だった時分
真っ白い靴はどこの店にも売っていなかった
お金は有り余るほどあり
シチューも食べ放題 けれど
白い靴・・・・・
手に入らなかった唯一の
今
かつて大人だった彼らの「唯一の所有物』がまっしとなままに大切に
ある意味においては無意味な存在
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