渡り損ね 蒼風薫/梅昆布茶2
また違った意味では命に代えても守らなくてはならない理由〜
分かっていたただけましたか?
風の歌を聴いた早春の野の花が揺れる
風邪の歌を聴いた
早春のわたしの心も揺れる
人々の雑踏の街中で
疲れたわたしの住む街で
風邪の歌を聴いた
それは緩やかにどこまでも優しく
全ての命たちの健やかさを祈っていた
ねえ母さん
今日はポトフが食べたい
ねえ 父さん
今日はドライブに連れて行って
真冬の陽光の中での幻想
報われない白昼夢
すぎた日は戻らない
あの子もこの子もみんな過去
一緒に遊んだ子よなんて あれ
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