かおるの音    蒼風薫/梅昆布茶2
 
ダを写真の父と見る梅雨の窓


俯いて咲くシクラメン悲しみを飲み込んだまま花期エオ終える


四季咲きのラベンダーありかこの庭今語り部は一人だけれど


ミニバラを食べる猫ありミニバラも猫も喪う今日この日あり



突然の飛礫に遭ったあの日まだ10歳の「ジャッップ」カリフォルニアで


カーテンで盲目を近いパソコンを開けて自ら誓いを破る


過ぎ去った春の靴紐解けずに孵ラぬ卵を温める吾


コウノトリ卵か赤子かキャベツの畑シチューのニンジン他所の星から


カタカナのルビは嫌だよ僕たち読めない子には


母さんは?だと今知った道ゆく人がそう言
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