全行引用による自伝詩。 04/田中宏輔2
 
て両手を少年の座骨に当てて揺れないように押さえ、象形文字のような動きをする手を首に当て、首の骨を折る。戦慄が少年の全身を駆け抜ける。彼のコックは骨盤を上に向けて、大きく三度ぴくぴくとはね上がり、たちまち射出する。
 彼の目の奥で緑色の火花が散る。甘美な歯痛が首筋を矢のように流れて背骨から鼠(そ)蹊(けい)部まで達し、歓喜の発作で身体を収縮させる。彼の全身はコックによって締めつけられる。最後の発作が起こり、多量の精液が赤いスクリーンの向う側まで流星のように噴出する。
 少年はやわらかく吸い込まれるように、ゲームセンターとエロ写真の迷路を抜けて落下する。
 堅いくそが勢いよくすぽんと
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