全行引用による自伝詩。 04/田中宏輔2
一訳)
(…)画家の中には好んで椅子を描く人がいるが、やっとぼくにもその理由がのみこめた。急に、フロールの椅子がどれもこれも花や香水のようにすばらしいものに思えはじめた。あれはこの町に住む人たちの秩序と誠実さを表わす申し分のない道具なのだ。
(コルタサル『追い求める男』木村榮一訳)
民衆はしあわせだ。しあわせでなければならないのだ。もし悲しんでいるところを見つかれば、なだめられ、薬をあてがわれ、しあわせな人間に改造されるのだから。
(コードウェイナー・スミス『老いた大地の底で』1、伊藤典夫訳)
とつぜん大立て者は少年の体を宙に突き飛ばして自分のコックから解放する。そして両
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