全行引用による自伝詩。 04/田中宏輔2
 
みについて語ることができる……たとえそれが、偶然見つけた死体のように、小さな痛みであっても、癌に当たったような、大きな痛みでも……
(フエンテス『脱皮』第二部、内田吉彦訳)

「あなたはあたしの手を握りしめたわ。そして、その死んだ男は、究極的に、生きているのだと言った。死者たちはみんな生きているんだって」
(フエンテス『脱皮』第二部、内田吉彦訳)

だれも話しかけてくれなかったわ。あたしのことをだれも知らなかった。
(フエンテス『脱皮』第二部、内田吉彦訳)

 いったいどこから来る? どこからでもなく、虚無からやってくる──だれの声でもない声
(バリントン・J・ベイリー『ロボッ
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