夜でなく、夢でもない。/中田満帆
ちの正体は死そのものだからな。
いままでに大物小物にかかわらず、死を願ったやつらを殺して喰って生きてきたんだ。
おれたちは人類の心のなかに棲んでいる。もちろん、きみのなかにも、きみの愛しいひとたちのなかにもだ。
やつらは制帽を脱いだ。顔がなかった。黒い霧の塊りが漂っているに過ぎない。わたしは慄然とした。でも、それをおもてにはださなかった。だせなかった。この車はいったい、どこにむかうのだろう。最後の晩餐とはなにか。いろいろと疑問は尽きなかったものの、なにから話せばいいのかわからなくなっている。
まずは酒にしようぜ。
もう1年も禁酒だったんだろ?
終夜営業のリカ
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