夜陰 、しずかえくすたしぃ/ひだかたけし
細切れ時の隙間に
上弦の半月、今宵
黄白く耀き
傾く西の夜空に、
ヘッドライトに照り輝く
草群れの緑の青々と眼下、
見て魅入られ
刻み込まれる狭間の時に
ノイズ、ノイズ、ノイズ、
交わり時折ハーモニー
あらゆる過去の総毛立つ
知ってる、識ってるよ
優しけな貴女に潜み隠す
時を引き裂く獣ノ叫び
僕ら、 ひとり ひとり
引き裂かれた不協和音
涙なんか流して居る場合
じゃなかったし 今や
エクスタシーの極限にて
砕け散って一度ならず死んで
死んでこそ体験出来得る
自己意識の真っ白に白銀ノ空無
(今のしずかに
山はもう雪化粧
白銀
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)