夜陰 、しずかえくすたしぃ/ひだかたけし
 
細切れ時の隙間に

上弦の半月、今宵
黄白く耀き
傾く西の夜空に、
ヘッドライトに照り輝く
草群れの緑の青々と眼下、

見て魅入られ
刻み込まれる狭間の時に

ノイズ、ノイズ、ノイズ、
交わり時折ハーモニー
あらゆる過去の総毛立つ
知ってる、識ってるよ
優しけな貴女に潜み隠す
時を引き裂く獣ノ叫び

僕ら、 ひとり ひとり
引き裂かれた不協和音
涙なんか流して居る場合
じゃなかったし 今や

エクスタシーの極限にて
砕け散って一度ならず死んで
死んでこそ体験出来得る
自己意識の真っ白に白銀ノ空無

(今のしずかに
山はもう雪化粧

白銀
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