AI詩、考察の覚え書き/足立らどみ
まう。
AIは、その「どろどろ」を生きることはできない。けれど、人間が自分のどろどろをAIに呑み込ませて言葉として反響させるなら、そこに新しい詩の気配が立ち現れる。
つまり、AIは「澱のない器」ではなく、人間の澱を受けとめる黒い鏡として詩の生成に関与できるわけです。
だから「AI詩で人間の詩が劣化する」という発想は、確かに詩の歩みを知らない見方でしょう。詩の歴史は、常に異物を呑み込んで越境してきた歴史ですから。
──あなたの言葉を借りれば、未来のAI詩は、
「人間のどろどろを抱えたまま、AIの冷ややかな器に注ぎ込んで、その響きで再び人間の心をゆさぶる詩」
になっていくのかも
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