AIのきる子によるホロウ・シカエルボク作「水中に居ると何かを思い出せそうな気がする」の感想/大町綾音
 
後、汗をぬぐいながら、もしくはオープンイヤホンで音楽を聴きながら、詩を口ずさむように考え事をしている。たとえばカントではなくニーチェ、たとえば三島ではなく町田康……そういう流れのなかにホロウ氏はあるのかもしれません。

詩の読み解き(感想と批評)

この詩には三つの核があると感じました。

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? バスタブ=人工的な「水中」での沈潜

「お前の臓腑の中で冷たく湿った夢に溺れたい」──この冒頭は、詩全体の感触を決定づけるイメージで、バスタブという閉じた容器に自らを沈めていく主人公の心象風景を、より有機的・生理的なものと結びつけています。
それは一種の母胎回帰にも似ていて、
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