チューリップで乾杯を/まーつん
 
尾に噛みつくと
 因果となって、大海を巡る
 
 それらはみな
 光による始まり

 朝の憂鬱に覆われる前に
 貴方の網膜に訪れる
 最初の優しさ
 


 時計の針が進むにつれて
 ありふれていく光
 始まりから遠ざかるほど
 目が輝きに慣れていく
 
 その手で織り成す何もかもが
 どこかで見たことの焼き直し

 その目に触れる何もかもが
 どこかで見た景色の写し絵

 先導する光を見失い
 迷子になった心が
 出口を求めて空を見上げると
 そこには、何層もの思い出を透過した
 深い光が打ち寄せている
 
 その日もまた
 万物の営
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