Hostage/ホロウ・シカエルボク
 
続けていた、とは言え、そのどちらかを切り離して生きることはおそらく不可能だったし、いささか調整が欠けているのはおそらく俺自身の落度だった、俺は美しい花の様な毎日など望まなかった、生まれて来た以上はすべてを知るべきだと早い段階でわかっていた、建前を受け入れてしたり顔を貼り付けて生きることなど一秒も御免だった、いつでも自分が向かうべきだと思う方向を取った、当然ながらそれは正しいことも間違っていることもあった、でもそんなことはどうでもよかった、それは結果そうだったというだけのものでしかないからだ、俺が欲しいものは始めから結果などではなかった、火に炙られて初めてその熱さを知るように、あらゆる現実を身体に刻
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