NWSF怪畸幻想ロマン 斬魔屋カンテラ!!『春一番が吹く迄』?/?任勇梓 Takatoh Yuji
り下げる氣などさらさらない、たゞ毟り盗れるだけ毟り盗つてやるのが藤=「鬼キ」の画策なのだつた)ぜ」と云ふ。だが、裏の裏まで、カンテラは見透かしてゐた。
「『鬼キ』よ、いゝ加減姿を現はせ!」「ふはゝ、よく気付いたな、カンテラ。それは褒めて使はすが、今訴訟を起こしてゐる藤を斬れば、流石のお前も現行犯逮捕されるだらう!」「あはゝ。俺はな、『鬼キ』よ、名人を連れてきてゐるんだぜ?」「名人?」
名人とは、云ふまでもなく、じろさんの事。またじろさん、今度はどすんと、藤に当て身を食らはした。堪らず、「鬼キ」が飛び出す。「此井奥儀・魂タマ拔き!」
ぎらり、傳・鉄燦が光る。「しえええええいつ!」
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