わたしはもりをでて、またもりにかえる。/あらい
 
かな若木の木漏れ日に身を預け、すべては常に流動し、どこにも留まらない。枝から枝へ銀の絹糸を結ってく 

永遠に変化し続けるそれらは――

 だっぴろい平原の雑草は背よりも高くあるくせに馬は夜走る。人々の見た夢が、目の前に実体として再現されているかのようだ。なぜか真上から俯瞰している自分もいる。さんざん散ったあと、さんさん照ったあと。呼吸は、感情そのものの揺らぎを映し出すように、静かに膨張し、消えていく
 そのときわたしは、土に戻る。私の足は根を生やし、手指にみる。花を活けたよな繊細な掌を開かずに併せる
 街は、時間を拒むように変化し続ける鏡面の中で。夢の中では、言葉や映像、音がわずかに
[次のページ]
戻る   Point(2)