血の動乱/ホロウ・シカエルボク
ている連中の多くが死んでいった、彼らは死ぬときになにも残さない、そもそもが思想の中の生きものだから、死体すら残らない、俺がそんな死の数々を感知することはほとんどと言って無いが、ごくたまに、ありありとその死を意識させるものも居る、思うにきっと、当時の俺が余程大事に抱えていたものをそいつは持っていたのだろう…俺はそれを惜しいとは思わない、忘れてしまっているということは、すでに自分にとって意味を持たなくなってしまったものだからだ、若い頃の輝きを懐かしく思い、焦がれ続けているような人間に会うことがある、でも俺は若いということを美しいとは思えなかった、気持ちしか持ち合わせがなく、混沌に戸惑ってばかりで、正し
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