IN THE DEAD OF NIGHT。──闇の詩学/余白論─序章─/田中宏輔
 
建築家』佐藤昭夫訳)所以である。しかし、よく注意しなければならない。こころにも、慣性のようなものがあるのだ。「聞こえもせず見えもしないものが後ろにある。」(シェリー『鎖を解かれたプロメテウス』第一幕、石川重俊訳)「暗闇は単に人間の目のなかにあって見ていると思っているが見えてはいない。」(アーシュラ・K・ル・グィン『闇の左手』12、小尾芙佐訳)「新しい刺戟がもう入ってきているのに、脳は古い刺戟によって働きつづける」(ジョアナ・ラス『フィーメール・マン』第二部・?、友枝康子訳)。「意識的に受け入れたわけでもないつながりを、自分自身の中にもってるから」(フエンテス『脱皮』第二部、内田吉彦訳)、「暗闇が(
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