IN THE DEAD OF NIGHT。──闇の詩学/余白論─序章─/田中宏輔
 
から、共通の真実として、共通の自己認識として魂にも芸術にもそなわっている、あの自己認識の。」(ブロッホ『ウェルギリウスの死』第?部、川村二郎訳)「成る程さうだ! 僕等の一切は深淵だ、──行為も、意欲も、/夢想も、言葉も!」(ボードレール『深淵』堀口大學訳)「すべての事実は、世界が人間の魂のなかに移り住み、そこで変化をこうむって、向上した新しい事実となり、ふたたび現れてくることの象徴だ。」(エマソン『詩人』酒本雅之訳)「世界という世界が豊穣な虚空の中に作られるのだ。」(R・A・ラファティ『空(スカイ)』大野万紀訳)。

 わたしが、彼らに魅かれるのは、「わたし以上にわたし自身だ」(エミリ・
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