IN THE DEAD OF NIGHT。──闇の詩学/余白論─序章─/田中宏輔
の糧』第八の書、岡部正孝訳)。
しかし、「人間は、そもそも深淵を真下に見て立っているのではないか。見るということ自体が──深淵を見るということではないか。」(ニーチェ『ツァラトゥストラ』第三部、手塚富雄訳)「なんじが久しく深淵を見入るとき、深淵もまたなんじを見入るのである。」(ニーチェ『善悪の彼岸』第四章・一四六、竹山道雄訳)。そこでは、「夜がかれを見つめている。」(レイ・ブラッドベリ『華氏四五一度』第三部、宇野利泰訳)「自分の内部を見張ってい」(ボリス・ヴィアン『心臓抜き』?・18、滝田文彦訳)るのである。「すべてこれらのものがどこからやって来たのか、またいかにして無の代わりに世界が存在
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