IN THE DEAD OF NIGHT。──闇の詩学/余白論─序章─/田中宏輔
 
張っていた。」(ガデンヌ『スヘヴェニンゲンの浜辺』11、菅野昭正訳)「彼は、転べば、自分自身に出会う。彼は、自分に(ヽヽヽ)ぶつかる。」(ヴァレリー『倫理的考察』川口 篤訳)「そこでは、唯一人(ヽヽヽ)の者が多数のものになる」(エリク・リンドグレン『鏡をめぐらした部屋にて』中川 敏訳)、「「単一」が「多様」に移行する場だ。」(エマソン『詩人』坂本雅之訳)「思うがままに形を変えるプロテウスは、何者にでもなりうるから実は何者でもない。」(モーリヤック『小説家と作中人物』川口 篤訳)「自分の中にひとりでいるということは、もうだれでもないことだ。わたしは大勢になっているのだ。」(ジイド『地の糧
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