IN THE DEAD OF NIGHT。──闇の詩学/余白論─序章─/田中宏輔
 
レース『詩学』第九章、松本仁助・岡 道男訳)、「わたしを驚かせ」(コクトー『ぼく自身あるいは困難な存在』ぼくのさまざまな逃亡について、秋山和夫訳)、「私の目を私の心の底に向けさせる」(シェイクスピア『ハムレット』第三幕・第四場、大山俊一訳)ものであった。ただ、これらのうち、多くの「作品が驚かせることに気をつかいすぎることはたしかである」(ボルヘス『伝奇集』ハーバート・クエインの作品の検討、篠田一士訳)が、しかし、驚きこそ、関心を惹かせる最たるものである。それにまた、「思考にとって、予想外ほど実り豊かなものがあろうか。」(ヴァレリー『己れを語る』頭脳独奏用協奏曲、佐藤正彰訳)。

 ところで、子
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