風のうちがわ/よるもと
 
あなたは誰にも触れてほしくないが、その手が風のうちがわであれば許す/人はみんな秘密をかかえて生きているし、たいていは口に出したくなり、それで満足する。

(これで正しいかな。わたしは子どもだったことがあるんだけど、おかあさん。わたしはあなたを信じるわたしを信じるあなたを信じるあなたを信じている。(こうしてわたしは口をつぐみ、心臓の草原で、湿潤な森を育てている。そこには友達がたくさんいて、わたしだけの大切な、信念もあるけれど、それは決してだれにもみえないしみえなくていい

突き放して、明日の天気が晴れであると予想する。白い放射状のすきまがひろがり、伸びたわたしの影がうつる。セーラーを着た女の
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