星の道/201
 
間に皺を寄せることを知り
苦笑いで口許を歪めても

彼女には伝わらない

あるいは援軍を頼むことも出来たかもしれない
いっそ殺してしまえばいいのだと共感する仲間を
そしてそれが出来ない私でもないのだ

「お前が死ねば良かったんだ」と

長く生きるつもりがないのは
長く生きて良いことをする保証がないから

夜の森にさまよい出て
亡霊の歌に耳を澄まし
寄せる潮の匂いに酔う

いつかふらりといなくなってしまうんだよ
皆と同じようにいつものように仕事に出掛けて
どうしてか突然と電車に

その辺りまで考えて止める

産まれる前お腹の中で
見えない雪に降られて
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