そのたびにどこにゆくのだろうか/あらい
まだ舟のさきに萌いだ、初茜、に。なぞらえるようにそう、望みながら襞ばかりを、明るい調子で。正午も首を傾げ 映像はそこでとまり 脱ぎ捨てた山水画の、巷の巡遊には受け皿もなく、
象ったジュークボックスに震える手で、
この胸に喉に、標本室まで量産された廃塵がてのひらに
避けて通るような黒い水たまりが下手くそに描いてあるみたいにおもえ、待ち合わせの後になれば(目覚めがわるい)夜明けでは薄化粧も許せないから。彼方に消え去る。あかがねをつづりあわせ、どこまでも、砂山の背骨から及ぼす壊死ていく、息弾ませ 鏤めれる。思えば繰り返し送り出した文明がある。
どこか苹果と木の子に振り分けてみる、
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