散らばった宝石/なけま、たへるよんう゛くを
幼い日にあなたの眼を潤ませたものは
ないだ海の夜に掻き立つ縞模様の水音ではなく
照明の暗い
ガラスの箱で区画された
文字に起こされた生態であったのかもしれない
古びた布づくりの花は
一瞬の燃料となる
赤茶のリボンを巻いた未就学児の多くが
裏ポケットに革命家を匿っている
パラボラアンテナを持ち歩く登山者たちが
渡り廊下や交差点の
太古の雑踏に耳を傾けて廻るのだ
美しい者や勇ましい者 彼らが
人々と同じ如く用を足したりするであろうか
理論的にはするだろう
鮮やかな言葉をなすりつけてくるばかりの彼らは
よほどたやす
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