coincidentia oppositorum/ホロウ・シカエルボク
 
方にほんの少し長けている…人間というものはそもそも、様々な作業を同時に行う生きものだ、それなのに表現においてはひとつに絞りたがる、フォーカスがきちんと合っている方がいいものだと考える、思考に頼り過ぎたせいだ、どんなことについても、人前でベラベラ喋れる方が利口そうで格好いい、そんな安直なものを権威にしてしまう、そしてなにひとつ証明することなどない―俺がしているのはそれとは真逆のことだ、余計な口をきく必要などない、なにかを上手くやる必要などない、ただ、自分がするべきことだけをすればいい、そんな姿勢をどこに向けて叫ぶ必要もない、本来そうしたものが表現の実態ではないのか?満たすべき器を満たすことなく唾ばか
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