詩的でない話。科学者は観察していることがとにかく楽しい/鏡文志
その円周の自然的退屈さも落語は描いていると思うのです。そこがお笑いにない。
今は理屈がとにかく嫌われます。しかし、理屈がしっかりしていないと、背筋がピンと張った美しいフォームに作品がならないのです。それは筋が通ってない道理の歪んだものの醜さ。
「アートが理屈を超えない社会」
と桑田佳祐が歌ったのは、30年以上前のこと。理屈を超えてないアートよりは、理屈の方が楽しいから、コロナ以降私はどんどん理屈家になり、益々煙たがられる方向に行った。大瀧詠一も晩年は音楽家ではなく、音楽研究者になりましたが、理屈は確かに楽しい。それは科学的な視点がないと、理屈屋になりたいとは思わない。ことの成り立ちはあれこれ
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