真夜中には哀歌を、不吉な目覚めには朝の光を/ホロウ・シカエルボク
なにかを変えられるのか見てみたいという気持ちがあった、まあ、当然のように状況はまるで変わらなかったけれど…いま何時だろう、不意にそんなことが気になったけれど、いまスマホを手に取って時間を確認する気分には到底なれなかった―俺の部屋には時計がないのだ、なぜだか自分でもわからないのだけれど、自分の部屋に時計を置いたことがない、これまで一度もない、特別そこにこだわりがあるわけでもない、ただ時計を部屋に置くという発想が自分の中から出て来たことがないのだ、不思議なことだよな、とたまに思う、特にこんな風に、頭が奇妙な状況に入り込んでいる時には…音は続いていた、とても規則的であったり、とても不規則であったりした、
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