母の話 2/201
るいは)
放っておくわけにもいかない気がして
あの子みたいに死んでしまう気がして
それは比喩的な意味ではなくて
本当に彼らは嘘を吐かれただけで死んでしまう
何故、何を自分が探しているのか、全く分からなくなるのだ
そしてその唯一の手掛かりである自分が
消えてしまうことについて
責任を感じていない訳ではない
責任を取れるぐらいには大人になりたい
私を捨てた人々にも同じことがいえる
彼らもまた
本当は最後まで自分に向き合わなければいけなかった
母は私を怒鳴り付け続けた
毎日毎晩
朝となく夜となく
何一つ口答えをしない私を
理由さえないのに
私が怒らなけ
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