穴について語る時に、我々の語ること/作:レイモンド・クレージー・バーカー・ジュニア /鏡文志
遊んでくれたから。その皮と膜と突けば溢れ出す潮で、僕を沢山包み、癒してくれたから。
それは憶測で実際は、穴遊びが楽しくなくなり、他人若者の欠点、穴が気になって仕方ないよう。自分が正しい。とにかく自分が正しい。そこに、穴はない。
人はオギャーと生まれ、己に穴だらけを自覚し、その後嵐や竜巻の時代を経て、自らの穴と必死で闘い続ける。その時に見つけた動物的な抜け穴を経て、苦痛から快楽、快楽から苦痛へと変遷し、精神の高揚、魂の勃起から、萎え萎む姿へと。老いては死のトンネルへと、人は迷い込む。晩年。来世はどうしようか? どこへ行って、どこでお買い物しよう? コミュニケーションを取る相手も次第にいな
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