シング・ア・ソング/ホロウ・シカエルボク
 
―酷い選曲だ、と俺は思った、だから、ブーイングを飛ばしてやった、すると梟はさらにデカい声で歌い始めた、なんていう音量だ、ボイストレーニングが完璧に出来ている、どうでもいいことに感心しながら窓を開けてそいつを追っ払おうとしたが、窓はなぜか開かなかった、梟は歌いながらますますニヤリとした、外から何か仕掛けをしているらしい、そうか、俺が外に出て行けばいいんだ、俺は玄関へ向かって走った、珍しい鉄の靴ベラを持っていたので、それを取って部屋の窓へと走った、梟はすでに居なくなっていた、窓は、レールにびっしりと小石を敷き詰められていた、クソッ、危うくガラスに靴ベラを叩きつけるところだった、まあ、でも、小石を少しず
[次のページ]
戻る   Point(2)