さいとういんこさんのお腹が大きい5月22日/いとう
 
して
存在として産まれ形として表出するような
そういう輝きで
それは一般にはおそらく「わたし」と呼ばれるものだ
「わたし」は
「わたし」であることは
とても特殊で貴重なのだ
彼らはどういう仕組みで「わたし」を獲得したのだろう
どういう魂が「わたし」でいられるのだろう
もし彼らがポジなら僕は
(その先は言わない)

さいとういんこさんのお腹を
僕は怖くて触れなかった
何か
汚してしまいそうな気がして

在るということはときにそれだけで平然と何かを傷つける
そんなことは幾度も体験している
傷ついたことも
傷つけたことも
数えることすら忘れてしまうほど
そうや
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