モノローグ・ギャングの照準/ホロウ・シカエルボク
 
いよ、人生なんて気にしなければぼんやりとした日常を繰り返すだけのものだろ、だけどその日常の中にある様々な風景にフォーカスを当てて分解したりイマジネーションを組み込んだりすれば、それはかけがえのない景色になったりするんだ、大事なのは見ることじゃない、見たものをきちんと脳内で処理出来るかどうかなんだ、分解して、想像して、そこにどれだけのものが隠れているのか解きほぐしてみるんだ、そうすることで自分の中でなにかが生まれてくるのを感じるんだ、それは生への欲求かもしれない、あるいは厭世観かもしれない、あるいは高純度の悟りかもしれない、どれかが欠けていてもいいし、どれかがふたつあってもいい、さっき言ったろ、それ
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