ずっと好きでいられますよう/由比良 倖
 
か分からないんだけど、でも音楽を聴いてると気持ちは音楽に溶け込めるし、短歌や詩を、すごく暗鬱な気持ちのままでではあるけれど書いていて、書いている間は、死にたさを少し忘れられるし、おまけに本も読めた。

 本は大好きなイメージの、秘やかな宝箱だよね。一冊の本は無限に複雑な、宝物だらけの迷宮。ノートは美しい色とりどりの糸、言葉の糸を仕舞った、静かな裁縫箱のよう……「裁縫箱」という言葉は、魚住陽子さんの本の言葉からそのまま採ったものなのだけど。

 最近僕は自分の手書きのノートがとても好きだ。唐突みたいだけど、魚住陽子さんのその「裁縫箱」のくだりを、そのまま引用すると、

「物持ちのいい女が
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