ずっと好きでいられますよう/由比良 倖
りの人たちもどんどん離れていってしまう。
僕は、祖母が典型的な統合失調症だったから、その苦しみは分からないにしても、病気だというのにしかも周りから疎まれてばかりの様子は見てきた。最初は悪の組織に追われていると、何度も警察に訴える程度だったのが、最後の方は電波か悪霊だったか生き霊だかの思念がやって来ると言って、布団の周りにいろんなものでバリケードを築いて寝ていたけれど、天井裏からも念波みたいなのが送られてくるし、バリケードなんか擦り抜けて悪いものが身体中を這いずり回ると言って、いつも手で身体に付いた何かを払いのける動作をしていた。
ひとりきりで悪意に襲われ続け、一睡も出来ない夜が、ど
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