ずっと好きでいられますよう/由比良 倖
 
界は無だとか、全ては本当は繋がっているとか、世界は組み合わせだけなんだとか、自分なんてものは無いとか、全ては夢のようなものだ、世界はもっと高い次元に存在している、などなどの概念的な言葉を、時間をかけて実感したって仕方ないと思う。無駄だとまでは言えないけど。

 例えば「人とはこういうものだ」ということが粗方分かったとしても、ひとりひとりの人間はまるで違う。少し付き合って、話して「あなたはこういう人だ」とか、「君は辛そうだけど、自分に拘っているから辛いのであって、もっと視野を広げて見れば、辛さなんて無いことが分かるはずだよ」とか、上から目線のことは言えるとしても、人の個性はそう簡単に分かるものじ
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