誰かの為に鳴らされる音はすべて歪んでいる/ホロウ・シカエルボク
 
ることなど無い、常識とか当り前なんて気にする必要は無いのさ、そりゃいったい誰にとっての話なんだい?って、思うのが普通じゃない、何かにすがらなくちゃ生きていけないやつらが、そこらへんにあるわかりやすいモノサシを選んでいるだけさ、例えばこんな夜になにかを記そうとするとき、それが常識や当り前となにか関係があると思うかい?人がひとりで生きようとするときにそんなものは必要無いんだ、あるのはただ自分がどこに向かって進むのかという疑問と希望と覚悟だけさ、それで充分なんだ、必要なものはいつでも混沌と矛盾さ、それをリアルだと思うのが俺のモノサシさ、夜明け前、街路はとうとう静まり返った、仰向けに寝っ転がって深呼吸を繰
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