誰かの為に鳴らされる音はすべて歪んでいる/ホロウ・シカエルボク
 
を繰り返し、空気が全身を駆け巡るのを感じる、この肉体は無茶苦茶だ、そして、精神もよくわからない箇所ばかりだ、それは正しく描かれなければならない、本当の血が混じらなければならない、その生温ささえ感じられれば、眠れない夜のあとでも少しはなんとかなる気がするんだ、これからやって来る一日は昨日の続きではない、それはどこか別の世界線の上にある、昨日と同じ日付の一日かもしれない、現実がリアルであることなんか本当は誰にも証明出来ない、リアリストの大半はただの嘘つきさ、ハーメルンの笛吹きについて行く子供たちとそんなに違わないよ、俺は笛の音の違和感に気付くことが出来た、だから始めから後ろに並ぶことなんて出来なかったんだ。


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