メモ(主に映画についてのこと)/由比良 倖
キーの『映像のポエジア』という本を読んで、僕は今まで映画(を含めた映像表現)について、大きな誤解を抱いていたと思った。
僕は映画がよく分からないながらも、(スプラッタ以外にも)好きな映画があるにはあって、小津安二郎の映画、特に『東京暮色』は何度も見ているし、ヴィム・ヴェンダースの『ベルリン、天使の詩』や『パリ、テキサス』、フランシス・フォード・コッポラの『地獄の黙示録』、タルコフスキーの『ノスタルジア』は大好きで、それぞれ何度見たかわからないくらいだ。でもそれも、単に雰囲気が好きで漫然と見ていただけで、音楽や読書の方が、映画よりもずっと没入出来るし、不遜にも、映画なんて、ちょっとよく出来た暇つ
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