指先の足跡/ホロウ・シカエルボク
に書いたりする、一度書き始めたら自分がその日どんなペースを望んでいるかだいたい掴めるものなのさ、あとはそれに乗っかって指先を走らせるだけだ、考えることを放棄しても詩は書けるからね、理解はあとで追いついてくる、頭を使って書くことを覚えるとスピードは落ちてしまう、何のために書いているのか?自分もまだ見ていない自分の奥底を見たいがためさ、それ以外に書く理由なんて一個もありゃしないんだ、俺自身の洞窟を、生きているうちに出来る限り踏破するんだ、アイスコーヒーを空にして金を払い店を出る、夏はまだ続いている、気分はずっとすっきりしないまま、さっきの猫の側で横になるべきなのかもしれない、楽になれるという意味ではそ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(6)