なにかが寝床にやって来る/ホロウ・シカエルボク
 
き潰そうと考えるのは多分俺だけなんだ、ふん、カフカ気取りかね、何故だろう、すべてはどこかへ消えてしまったのにまだなにか、視覚の外でざわついているものを感じる、それは虫ではないかもしれない、けれど鋭い牙を持っているかもしれない、今度こそ俺の本体を食らおうと考えているかもしれない、それは強い意志なのだ、でもどうして彼らがそう考えたのか、俺には分からない、それを俺が理解出来る時が来るだろうか、それは俺だからこそ理解出来るものなのだろうか、もしもそれが理解出来た時俺はどうするのだろうか、虫たちのベッドに身体を投げ出すのか、俺はこれは自分の周囲に漂っているひとつの死の概念が具現化されたのだろうか、虫に食らわ
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