なにかが寝床にやって来る/ホロウ・シカエルボク
似ている、気付いたか、というように頭蓋骨は笑っている、と同時に、失われた俺の身体は逆回転のようにゆっくりと再生される、目を閉じて、眠っているみたいだ、すべてが元通りになった瞬間、肉体の側の俺がかっと目を開いた、途端に俺はそこに引き摺り込まれ、気付いたら寝床に横になっていた、戻って来たのだ、俺は跳ね起きる、カサカサと背後で音がする、振り返るとついさっき見た甲虫どもが再び俺を食らわんと迫って来ていた、俺はハンマーでそいつらを叩き潰した、死にたくなければひとつ残らず殺すしかない、殺られる前に殺れってやつだ、一打一打にもの凄い力を込めた、虫たちの死骸は薬品のような臭いがした、そして彼らはあまり足が速くなか
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