咲花とかえで/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
ねた髪を振り、家路を急いだ。少しでも時間があれば、練習したかった。
「ただいまー」
「おかえりーかえで、食事の前にまた素振りするの?」
「うん、ちょっとだけ」
そう母にあいさつがてら、何気なしに門を見ると、何か様子が違う気が、かえでにはした。
試合の日。
チームの皆が待ちに待った日だ。
さいわい場所も咲花たちの住んでいる地域からほど近く、最寄りの駅前からバスで行ける範囲だった。
「今日のスタメンを言うぞ、1番……」
馬鈴が発表し終わると、みなグラウンドに出てキャッチボールを始める。
かえではスタメンで6番ショートだったが、咲花は控えに回った。
「やっぱ
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