風が俺を撫でようとするときに友達と居てしまっては/ホロウ・シカエルボク
 
だ、俺にとっちゃ大問題なんだが、道端で寝っ転がってるやつらにはどうでもいいことらしい、ま、あいつらは自分が楽しく生きることしか考えちゃいないからな、退屈している詩人の態度を厳守しながらさっきまで歩いてきた道を逆になぞる、見覚えのある女が居た、あれは多分、中学か高校かで同じクラスだったやつだろう、学年までは思い出せない、同じクラスだったことが思い出せただけでもよくやったというべきだろう、一度同じクラスだったという男に同じ街中で声を掛けられたことがあったのだけど、名前まで教えてくれたのに思い出すことが出来なかった、凄く後になって思い出したんだ、俺が初めてやったバンドでベースを弾いてくれたやつだった、も
[次のページ]
戻る   Point(2)