いつのまにか滲んだ血でさえ流したあとには忘れている/ホロウ・シカエルボク
成立するものだ、古い映画にそんな台詞があった、現代社会はそんな言葉を決して理解出来ない、だから安易でつまらないものばかりが流行る、この世界がどんな見苦しいものに変わろうと、俺は黙って詩を書くだけさ、俺は言葉を喋るのは好きじゃない、言葉はどんなに並べても言葉に過ぎない、けれど詩の中では、それは圧倒的に現実や意味を飛び越えたものに変わる、俺はそれを表現の本質だと考えている、つまり表現とは何かというと、ひとつの言葉、ひとつの場面にあらゆる意味を持たせるということだ、ひとつの現象に隠れるすべての意味を曝そうとする試みだ、もちろんそれは容易なことではない、不可能と言ってもいい、それでもそこに挑もうとする連中
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