レコードの溝の数/ホロウ・シカエルボク
じゃない、俺は好きにやらせてもらうさ、誰かがそうやって居心地のいい場所でお決まりの言葉を並べている間にね、そう、たくさんの時間が過ぎた、俺は時間と共に、自分が何を描いてきたのかを学んできた、言語的な認識など大して当てにならない、特に俺の書くものに関して言えば余計に、フォローチャートなんか必要な世界じゃない、意識下でそれをきちんと認識する必要なんてない、要は口に入れたものを飲み込んだか吐き出したかさ、それが蓄積した内奥の部屋の中で意味が発酵して新しいイメージとなる、新しい、見たことも無い文章になる、書くことを躊躇ってはいけない、決して書くことを躊躇ってはいけない、少しでもブレーキをかけてしまうと水門
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