Parasitic 【P】/ホロウ・シカエルボク
彼らの心にはポエジーが無かった、代わりになにか、新鮮な死体のようなものが隙間なく詰め込まれていた、まあ、彼らにしてみれば俺だけがおかしな人間に見えていただろうけどね、コンパスの針で爪の表面や歯を削りながら過ごす日々が続いた、若い頃にはその時の名残が爪に残されていたけどね、もうそんなものは見る影もない、人間の細胞は周期的にごっそり入れ替わっている、骨だってその例外ではない、奇妙なものを見つめながら生きていたら奇妙な病にかかり、長いこと薬を飲みつづけた、その時のものは完治したけれど、いまは違う名前の付いた病でまた薬を飲んでいる、どこかに落度があって、リテイクを命ぜられたような気分になる時があるよ、病院
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