ひどくもろくみえずらくさわれないもの/あらい
こと
(さきもみえない/私は/あとがない)
たまゆら(・・・・)に咲きかけた水面下に、
『いまにして大地に、作り笑い 慎ましく 寂しかったよ』
――おそらく輪郭は僅かにヌメる累の血を
磨りガラスの表紙に
やぶれかぶれと当たり散らしました
平行線の綱渡りと、たまらなく かゆいうた
それはきっと浜昼顔のように易しく有りましょう
私は 息苦しい みぎてのゆびきり。
すまなそうに被る月はそっとおぼろげ、意固地な人形の 星を鏤め埋め戻した、遊戯の最中でなきやんで。手渡されたこのごろも晴れて あえかに寄せた情景を鮮やかに遷した、完璧な欠乏
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