ひどくもろくみえずらくさわれないもの/あらい
 
頼りない朽葉が仰山、渇いた枝に絡まる名残/なんぼかの膨らみ。慢性的な土壌が折れ半角の目合い、相場より。あとが/ものが。どちらかを――刺し抜いた薄紫の風が気だるさに削られたほど小刻みに押しつぶされて。いきをのむ島へ、
 けれど燦燦と域の音を絆し残響を鳴らした鴉は? あたりいちめんそれきり。しどろもどろの――むこうは知っていたのでしょうね。こう揃えられた腹と腿と、つばさとハンカチと、言いなりの耳朶。まぁ小さな蜘蛛でしたわ。たったひとつだけ展望台で、しげく。

(いくつかの私物の糸があった。)
 近く遺作の計画は前髪が濡れている
 あらやだ。/「襟が汚れているな。」
 ……末尾の賑やかなこと
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